ICC





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シンポジウム

2002年12月20日(金)—2003年2月23日(日)ギャラリーA,B,5Fロビー





はじめに


 科学技術と芸術文化の対話によって,豊かな未来社会を構想するというICCの活動 において,建築は社会と直結した重要なテーマとして,開館以来とりあげられてきました.このたびのダニエル・リベスキンド展は,現代建築の最先端の動向を示す4年ぶりの企画展となります.

 ダニエル・リベスキンドは1946年ポーランド生まれ.イスラエルで音楽を学び,その後アメリカ,イギリスの大学で建築を学びました.1970年代末より,旧来の建築への批評精神に富んだ,革新的なドゥローイングや都市計画案を,次々と発表しました.その後欧米各地の大学で教鞭をとり,ディコンストラクティヴィズム建築の代表的存在とされましたが,そのコンセプトの斬新さゆえに,実際の建築としては作品はほとんど実現されませんでした.
 しかし1999年に完成し,昨年秋に開館したベルリン・ユダヤ博物館は,彼の建築コンセプトが結実した実作品として注目を集め,また2001年の北帝国戦争博物館の完成などをもって,現代を代表する建築家としてのゆるぎない評価をえました.さらに本年,広島市主催による,人類の平和に貢献した現代芸術家を顕彰する第5回ヒロシマ賞を受賞し,ニューヨークのワールド・トレード・センターの再建計画の最終候補の一人にも選ばれています.

 本展は,ヒロシマ賞受賞を記念して本年10月まで,広島市現代美術館で開催された彼の個展の,東京展です.彼が近年設計した,フェリックス・ヌスバウム美術館,ベルリン・ユダヤ博物館,北帝国戦争博物館,デンヴァー美術館増築計画の4つの建築の巨大なモデルとドゥローイングによって構成された,壮大なインスタレーションが展示されます.ICC全館を使い構築された新たな空間によって,彼の建築思想をあますことなく体験できる展覧会となるでしょう.