ICC





はじめに
入場料
展示作品 1
展示作品 2
海市について




計画/経緯
ANY会議/ユートピアをめぐる言説
ヴェネツィアビエンナーレ/海市計画コンセプトパネル
展覧会について(会場構成




1. プロトタイプ
2. シグネチャーズ
3. ヴィジターズ
4. インターネット
ウェブページを通じた展覧会への参加
DWF形式によるAutoCAD図面の参照
フォーラムのページ
参加作家
カタログ
 
1997年4月19日 〜 7月13日 [終了しました.] ギャラリーA





インターネット/解説:佐藤健司/磯崎新アトリエ


ここに提示するのは「海市」インターネット島のための「物理的コンテクスト」です.インフラ・ストラクチャーと呼ぶことも可能ですが,より広い意味で単に物理的コンテクストと呼びたいと思います.局所的なデザインにおいて,その場の物理的コンテクストをデザインに取り込むことも,無視することも可能です.「海市」全体に複雑な織り目の網がかぶせられています.とりあえず模型上では,そのネットは機能を与えられ実体として存在しますが,思考の上では透明な網と考えることができます.「海市」の上にはそのような透明な網の織りなす場が形成されていると考えます.インターネットを通じて寄せられた意見,来場者の作成した模型,ヴィジター島の歴史のなかで消えていった遺物,それらはこの網のなかに挿入されます.その意味でこの網は受容器です.このような受け皿を用意しようと思ったきっかけは,エリザベス・ディラーがギャラリー・トークで,単に輪郭を与えられた,平坦な島の上にユートピア都市を建設しようというのは,まさに近代主義の都市計画そのものだと言っていたからです.つまり彼女は「海市」には物理的コンテクストが希薄だということを指摘したわけです.そこで,単にある輪郭を持った平らな模型台があるよりは,過剰なほどに物理的コンテクストが存在するような場が人為的に生成されていたほうが,この実験を進めるうえで好ましいのではないかと思ったわけです.