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1. プロトタイプ
2. シグネチャーズ
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4. インターネット
ウェブページを通じた展覧会への参加
DWF形式によるAutoCAD図面の参照
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参加作家
カタログ
 
1997年4月19日 〜 7月13日 [終了しました.] ギャラリーA





2月19日 : 古谷誠章氏から丸山洋志氏へ


丸山洋志様

2月19日のFaxを拝見しました.さっそくのご返事ありがとうございました.

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丸山さんのl=46〜54の提案に大いに賛成です.(もっとも何故模型の命が4週間になるのか,そのトリックがまだよくわかっていませんが.)
また夜を作業時間にあてる説も,データ上と模型上で「日毎に」変化しつつある現状を展示できる意味で,なかなかいいかもしれませんね.なんだか"小人の靴屋"的でもあるし,それこそ巨大な"たまごっち"的でもあります.そう思うと島の形もなんだかそんな風にも見えてきます.いずれにしても作業の風景自体はブラインドにしておいて,デジタル情報もアナログ情報も,アウトプットだけが日々更新されて,目に見えるわけです.それに観客が昼の間に様々な作用を及ぼすことができれば,よいわけです.メタボリズム展の時の磯崎さんのように,観客が「釘を打てる」仕組みを全然違ったやり方で考えるのです.Visitor相互に順序があって,時間差を持って織り重なっている点がSignatures展とは異なり,デジタル/アナログが微妙にズレながら並置されている点がInternet展とも異なります.

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でも,とにかく日毎の徹夜までは行かなくてもl=46〜54のレベルで考えましょう.1週目をワークステーション上での案づくりと模型の準備だとして,それを2週目に模型台の上での現場作業に持ち込むのだとすると,フローは大体こんなことでしょうか.

		1w	2w	3w	4w …

	A氏:WS上の作業	模型の作業
		模型の準備

	B氏:WS上の作業	模型の作業
		模型の準備

	C氏:WS上の作業	模型の作業
		
模型の準備

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模型の現場作業は,ただ展示するだけの人もいれば,まだまだ続行中の人もいれば,2週目こそ本番とばかりに現場でほとんど作る人もいるのでしょう.でも一応この2週目を各人にとってのパブリックに対するプレゼンテーションだと考えることにします.いずれの場合でも少なくとも2人のVisitorの重複する期間内には,何らかのセッションがもたれる必要があります.たしか会場レイアウトではモニタ裏のスペースは模型の作業場でしたよね.問題はこれをどんな風にブラインドにするかだと思います.ほんとに作業は夜なのか,またはこのスペースを別室化するのか.僕はあの会場を間仕切って,WS上の進展だけが会場からモニタリングでき,もし希望するなら作業場内を,(つまり大しておもしろくもない作業の姿を,)壁に無数に設けた大小のドアスコープのようなもので覗ければいいかなと考えますがいかがでしょう? もちろんさらに希望すれば中に入ることも可能です.

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僕がずっと思っているのはVisitorすべての作業の集積と経緯を,データベースと模型の双方の上に表示しようということです.なぜならこれはどちらも社会に対するデモンストレーションであり,ブルー・プリントであるからです.1/1のオブジェにすべきでないと考えるからです.つまりこの作業の集積と経緯の表示のために,身体境界(これは結果的に一人のものが無数の泡沫に分かれていてもいいのですが)−つまり誰がやったか,と,時差の同存化表現−つまり何時おこなわれたか,が,必要だと思われたのです.僕の言った身体的境界とはこのような意味合いにおいてです.毎日のようにわざわざ見に来るのが楽しみになるような模型になるといいですね.それはデータベースもまったく同じなのですが,こちらはネットワークから覗くことも出来ます.模型にはどうしても電送できないものがまとわりつきますから.美人に会えるかも知れないし.

どうもしつこい話につきあわせて申し訳ありません.また何かあればお聞かせください.どうもありがとうございました.

19970219
古谷誠章