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はじめに
入場料
展示作品 1
展示作品 2
海市について




計画/経緯
ANY会議/ユートピアをめぐる言説
ヴェネツィアビエンナーレ/海市計画コンセプトパネル
展覧会について(会場構成




1. プロトタイプ
2. シグネチャーズ
3. ヴィジターズ
4. インターネット
ウェブページを通じた展覧会への参加
DWF形式によるAutoCAD図面の参照
フォーラムのページ
参加作家
カタログ
 
1997年4月19日 〜 7月13日 [終了しました.] ギャラリーA





ヴェネツィア・ビエンナーレ 六曲一双 左隻




#7
暫定的にゾーニングされた地域に提案される建築型は,中国本土に見出される伝統的な空間構成を下敷きに,現代的な使用に適合するようコンピュータ・シミュレーションを用いてトランスフォームされる.新しい生活慣習に適合させるためのプログラムが開発されるが,この際,他者のインターアクションを許容することが配慮される.

#8
居住区のユニットには日常生活に必要な部屋に加えて,情報端末が備えてある.建築型のプロトタイプとして,客家のリング状の大家族住居と,四合院の序列をもったコートヤードをもつタウン・ハウスが用いられる.前者はスパイラル状の渦の群へと,後者はインフォーマルに増殖する立体格子へと変換される.

#9
都市のインフラストラクチャは計画の初期段階において与件として固定化されるものではない.むしろ,要素間の相互作用が生み出すネットワークにそって漸次,建設される.島はひとつのオートノミー(自律神経系)であるから,そのネットワークに沿って,ソーラー・カー,自転車,ボート,動く歩道などを用いた独自の交通体系が発生する.

#10
交通施設はまた家でもある.蚤民は洋上民であったし,中国の中央部から南方の海岸部には,運河が無数の細い網目状につくられていた.海上生活区を再構築し,大小の運河を主要な交通系にする.アジアの南部は水の文明地帯である.水辺,水上に生活することは将来も変わらない.

#11
すべての細胞に同一のDNAがプリントされているように,海市においては,生活空間も労働空間も共通の扱いを受けている.だが,情報交換のスピードが加速してゆくなかで,アクティビティは不安定な流動状態になるだろう.その大きな渦の流れに対応する施設が必要となる.それが中央の淡水池の両側に配される.

#12
風水が要請する中央軸は「気」が湧き出る池となっているが,そのモデルに紫禁城天檀が下敷きにされている.それはグループ・ワーク,ミーティング,コンベンションのための場で,いずれもが渦巻く乱流を形成するように,流体力学的な空間フレームのなかに収められる.

六曲一双 左隻