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スタッフ・ノート

情報環世界研究会,進行中.

2017年11月30日 16:30

今年の9月より,ICCを会場として,固定メンバーによる研究会「情報環世界研究会」が月2回のペースで開催されています.

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「情報環世界研究会」は,「オープン・スペース 2017 未来の再創造」内に設けた,NTTサービスエボリューション研究所による複合的な研究開発プロジェクトを推進するための空間「リサーチ・コンプレックス NTT R&D @ICC」に関連して立ち上げられたものです.5月14日に開催されたシンポジウム「これからのテクノロジー環境における新しいヴィジョンを求めて」に登壇した伊藤亜紗さん,緒方壽人さん,ドミニク・チェンさん,塚田有那さん,そして渡邊淳司さんがボードメンバーとなり,5人がそれぞれ設定したテーマにそって,レクチャーやワークショップを行なっています.参加メンバーは,ボードメンバーの方々それぞれの推薦により,17名の方が集まりました.

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伊藤亜紗さんによるレクチャー

「情報環世界」とは,ヤーコプ・フォン・ユクスキュルが提唱した生物学の概念「環世界」をもとに作られた造語です.「環世界」とは,生物が自らの身体的特徴や感覚器官の制約によって固有の知覚世界をもち,またその中で行動していることを指した言葉です.「情報環世界」は,その概念を現代のモバイル技術やインターネットによる情報環境におけるふるまいに拡張しています.

「フィルター・バブル」や「フェイク・ニュース」などの言葉を使うまでもなく,現在わたしたちが日々触れるニュースや情報の種類や質が,人によってまったく異なっているということを実感する人も多いのではないでしょうか.Twitterにおけるフォローのようなユーザー本人によるフィルタリングだけでなく,AIによる最適化技術やコンテンツ制御などによって,現代のわたしたちは,身体だけでなく,情報の世界においても,それぞれの「環世界」を生きているのです.

情報環世界研究会では,この認識を踏まえて,情報技術と人間との関係がどうあるべきか,さらにわたしたちがどのように豊かに生きることができるかを考えていくことを目的にしています.

研究会個々の開催は非公開ですが,このたび,伊藤亜紗さんによる第1回と第2回(テーマ:身体・無意識と能力の情報環世界)の模様をまとめた冊子が発行されました.「リサーチ・コンプレックス NTT R&D @ICC」でも配布していますので,ご興味のある方はぜひお手にとってみてください.第3回以降の内容も、順次冊子化される予定です.

[Y.Y.]