チャンネルICC
いよいよ設営も佳境を迎えています.
八谷和彦さん,岩崎秀雄さん(metaPhorest),ノヴァ・ジャンさん,鈴木康広さん,和田永さん,プラプラックスのみなさん,ucnvさんの設営レポートです.
5月21日(火)
前日の搬入にひきつづき,八谷和彦さんが設営のため来館されました.
電光掲示板の位置決め,赤外線LED部分や起動プログラムのチェック,専用ヴューワー「ヒツジ」の動作確認など,テクニカル・スタッフと一緒に,設営作業をすすめていきます.繊細なLEDや基板など接触の悪くなっているところをはんだ付けして,修理と調整を繰り返しながらの地道な作業になります.
こちらは早稲田大学で生命美学プラットフォーム「metaPhorest」を主宰している岩崎秀雄さんです.
フラスコや顕微鏡,バクテリアを培養している温湿度の管理されたガラスケースなど,生物学の研究室をそのままもってきたようなしつらえです.しかし,よく見るとただの生物学の研究ではなさそうです.シャーレの上で増殖するバクテリアはグラフィティのようにも見えますし,ところどころ切り抜かれたテキストの上を這っているバクテリアは,都市を覆う雲のようにも見えなくもありません.自然物と人工物,ミクロとマクロなどの違いはありますが,地球上で生成される造形には何か共通するところがあるのでしょうか.
5月22日(水)
来日したばかりのノヴァ・ジャンさんが,出品作品《イデオジェネティック・マシン》(2011)のテクニカル・コラボレーター,ジェイク・ジェフリーズさんとともにICCに来館されました.
《イデオジェネティック・マシン》は,カメラで撮影された鑑賞者が,その場でコミックタッチの画像に変換され,登場人物としてコミックのコマに取り込まれるインタラクティヴな作品です.微妙なライティングの加減でコミックタッチに変換される際の陰影が変わってしまうため入念なチェックを行なっています.
鈴木康広さんは,4階ロビーをデジタル・パブリックアート・スペースとして展開します.
《まばたき証明写真》を設置中の鈴木さん
《まばたき証明写真》(2011)は,一昨年に発表され,各地のミュージアム・ショップや展示施設などで設置された人気の作品ですが,「オープン・スペース2013」のために塗装をしなおし,音声出力の部分なども少し改良したそうです.もちろん,出てくる証明写真には『「オープン・スペース 2013」@ICC』の表記と撮影日時が印字されますので,ぜひ本展来場の記念に《まばたき証明写真》を撮ってみてください.
*《まばたき証明写真》の体験には,ICCショップで販売している「《まばたき証明写真》キット」が必要です.1回分300円(税込)で販売しています.
先日お伝えした現場ミーティング以降,急ピッチで設営をすすめているプラプラックスの篔さんと小原さん.
インスタレーションの要素となる植物や図鑑も続々と到着するなか,設営期間にはよく見られる光景ではありますが,スタッフを集めて深夜の緊急床上ミーティングです.図面を見ながらディテールの再確認をしています.
和田永さんの《時折織成 ver.2——落下する記録》(2013)に音が入りました.
美しく時間を織り成すオープンリールのテープには果たして何が録音されているのでしょうか.最後までゆっくりと聞いて,確認してみてください.
壁面に埋め込まれたディスプレイに映っているのは,プログラムの確認をしているucnvさんです.
カメラに映った観客のポートレイトがグリッチされる《Facing to File Formats》(2013)の実験をしています.
「オープン・スペース 2013」では,本作をはじめ,鈴木康広さんの《まばたき証明写真》,ノヴァ・ジャンさんの《イデオジェネティック・マシン》など,来館くださったみなさんは,メディア・アート作品としていろいろに映し出される自分の姿をお楽しみいただけると思います.
いよいよ,オープンまであと1日となりました.作家もスタッフもラストスパートです.
みなさんのご来場をお待ちしております.
オープン・スペース 2013
会期:2013年5月25日(土)─2014年3月2日(日)
会場:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]
開館時間:午前11時─午後6時
休館日:月曜日(月曜が祝日の場合翌日),年末年始(12/28─1/3),保守点検日(8/4,2/9)
入場無料
主催:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]
/Exhibition/2013/Openspace2013/index_j.html
[K.H.]