ザ・メイドゥンは,医療用の検査・手術用診台を改造して作られた,電動による空気圧作動の作品です.その元々の手動による可動,調整部分は,空気圧弁によるものに変更され,その動きはMIDIによる圧搾空気のオン・オフによりコントロールされます.普通,MIDI信号は,電子楽器により生み出され,使用されるもので,ミュージシャンに広く使われています.この展覧会においては,多くの作品の動作の機能は,音楽における作曲やコントロール,プログラミングと同じく,MIDI信号を介して行われ,表現されています.
会場においては,ザ・メイドゥンは,マイクと,二つの扇,二つのプロジェクターを伴って配置されています.基本的にこの作品は,楽器をその入力源とします.観客は,楽器を演奏することや,マイクに向かって歌うことをいわばその動きの楽譜として,ザ・メイドゥンを動かすことが出来ます.一度学べば,その楽譜は繰り返すことも出来ますし,正確に同じ動作をします.音色や,その組み合わせによってその動きをコントロールできるのです.