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《熊奏図》 [2012] “Ring the Bear”

中村恭子

《熊奏図》

作品解説

「人間」が生まれるとき,人はぬいぐるみになる.人と熊は鼻を付き合わせて暮らし,歌い踊り,お祭り騒ぎ.やがてバラバラに首を切られて並べられ,熊は「人間」の装束を被ってぬいぐるみになる.人が熊になったのだ.すると花矢に導かれながら,ぬいぐるみの綴じ目から,思いもよらぬ感性,「人間性」が,溢れる珠(たま)のように浮上する.それは自然に託された人工といえるだろう.とすれば,熊が人になること(人工を自然に託すこと)でもあるだろう.このようにして,熊も人も「人間」になる.つまり,自然が入っていない人は,「人間」ではないということだ.(中村恭子)

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