底部に重りを付けて,倒しても元の位置にもどる「起き上がり小法師」のような構造を持った発光する球体と壁や床に投影されるその光の軌跡によって,「色彩の動き」に触れるという感覚を体験することができる作品です.触れるという行為によって起こる動きと,それによって起こる色彩の変化を同調させることにより,「動きの質感」を空間的な「色彩の動きの質感」として体験できます.球体を傾けると光の明度がだんだんと上がり明るさが増し,また,球体を弧を描くように回してみると,光の色相が変化し,壁面に描かれた色彩パターンを変化させます.
《オプティカル・トラジェクトリー 2》 [2006]
武藤努