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《moids 2.2.1—創発する音響構造》 [2009/12] “moids 2.2.1―acoustic emergence structure”

三原聡一郎+斉田一樹

《moids 2.2.1—創発する音響構造》

作品解説

複数のマイク,マイクロチップ,リレー*から構成されたデヴァイスが,無響室の天井,壁,床下といった,あらゆる箇所に配置されています.デヴァイスは,マイクが一定以上の音量を感知すると,リレーのスイッチが切り替わるよう設計されており,スイッチの切り替え時にリレー自体からかすかな動作音が発せられます.ひとつのデヴァイスが何かの音に反応して音を発すると,またそれに反応してそのほかのデヴァイスも反応を始め,次々に反応が引き起こされます.反応の連鎖はしばらく増減を繰り返し,時には飽和状態になり,時にはシステムがリセットされることで無音の状態に戻ります.

この作品は,テクノロジーによるもうひとつの自然環境を作り出すことを試みて制作されました.音環境に反応してデヴァイスが発する音が,また他のデヴァイスを反応させるというシンプルなルールによって,個々のデヴァイスの集合としての全体がさまざまなテクスチャーをもった状態に変化していきます.そこでは,森の中での昆虫や動物の反応にも似た有機的な音響環境が生まれ,その時々でまったく異なるものとして現われます.また,無響室という,音の反響のきわめて少ない環境に設置されることによって,音の聴こえてくる方向がより明確になり,全方位から聴こえてくる音に包まれるような感覚を引き起こします.

*リレー:電気信号の入力に伴い,電気回路の開閉(スイッチング)を行なう装置のこと.


協力:むぎばやしひろこ,平林慎

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