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《ミキキキキミミ》 [2017] “mikikikikimimi”

具志堅裕介

《ミキキキキミミ》

作品解説

同じ音が反復されており,画面にはそれに対応した言葉が表示されています.あるとき,画面に表示された新たな言葉がきっかけとなり,最初の聞こえ方が変わっていきます.

はじめは,文字としての言葉と音としての言葉は強く結びついていますが,そこに別の言葉を表示するなど,なんらかのきっかけでその結びつきが壊れてしまうと,はじめは意識されなかった,新たな存在しない音の存在が,強く意識されるようになります.また,物理的に同じ音を聞いていても,体験する人それぞれが現象として聞いている音は異なるということがあります.

《ミキキキキミミ》は,音のループの中から,画面に表示される言葉を手がかりに聴き方を見つける作品です.複数の音脈(音のまとまり)を持った音のループから,鑑賞者は音と言葉を同時に知覚し,その指し示す音脈を探します.聴覚における錯覚もたらす現象である錯聴効果のうち,短いループ音を聞き続けていると聞こえ方が変化することを「音脈分凝(おんみゃくぶんぎょう)」といいますが,この作品では,この音脈分凝と「視聴覚統合」と呼ばれる知覚の仕組みを利用し,画面に表示されることば(音喩*)を手がかりとして,鑑賞者の聴き方を誘導する作品です.

*音喩:日本の漫画において描き文字として表現される,オノマトペ(擬音語・擬態語)やそれに類する聴覚情報の視覚化のこと.本作品は,擬音語の音喩のみを対象とする.

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