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《『どこかの日常』4人のスピーカーとオペレーターのための》 [2015–16] ““Daily Life Elsewhere” for 4 speakers and an operator”

大久保雅基

《『どこかの日常』4人のスピーカーとオペレーターのための》

作品解説

ラジオ放送は毎日情報を発信し続けている.リスナーはそれを楽しんで聞いているが,無意識下では情報操作により意思の自由が拘束されている.それによって,聞いたことをそのまま発言する人間が生まれる.この作品はその問題を顕在化させ,ラジオ放送を音楽に改ざんすることで情報操作に抵抗するものである.

「スピーカー」と呼ばれる4人のパフォーマーは,無線ヘッドフォンから聞こえてくるラジオの音声を復唱する.オペレーターは,リアルタイムに放送されているラジオ番組をコンピュータへ取り込み,音響処理を施した音声をスピーカー達のヘッドフォンに送る.コンピュータと無線ヘッドフォンを使用することで,音響処理された電子音響を演奏指示として利用することや,動的な演奏内容の変更など,五線譜では記述が難しかった音響表現が可能になった.この作品は新しい電子音響音楽の形として作曲された.

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