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アートサット1:インヴェーダー [2012] ARTSAT1: INVADER

多摩美術大学×東京大学 ARTSAT:衛星芸術プロジェクト

アートサット1:インヴェーダー

作品解説

INVADERとは

「INVADER」は,ARTSATプロジェクトが現在開発中の,芸術/デザイン活用を主目的とした世界初のCubeSat芸術衛星です.JAXAが提供する2014年2月に打上げ予定のH-IIAロケットの相乗り小型衛星として打ち上げられる予定です.打ち上げ後は1年程度軌道に滞在し,その間にさまざまなイヴェントが開催されます.

CUBESATとは

CubeSatは,世界最小の超小型人工衛星規格です.衛星の大きさは10cm角の立方体.ピギーバック(相乗り)衛星として打ち上げられることを前提としています.2003年6月30日には,東京大学の大学生が設計・製作したXI-Vと,東京工業大学の大学生によるCUTE-Iが,世界初の打ち上げに成功しました.

特徴

INVADERはアルミニウムフレームにより造形された美しい衛星です.芸術ミッションを実行するコンピュータは,DIYの世界で広く用いられているArduinoと互換性があり,軌道上でプログラムの実行とリプログラムが可能です.さらに芸術利用に適した作品制作用データが,地上局サーバーからARTSAT APIで配信されます.

ミッション

ARTSAT APIを介して,あるいは衛星からの電波を直接受信することで得られる衛星からのデータを用いた作品制作を出発点に,Arduino互換のMissionOBCを活用したインタラクティブ作品など,衛星からのミニマムなデータを人間の想像力で最大限に拡張しながら,メディアアートの新たな世界を探求します.

仕様

ハウスキーピング用のセンサーとして,太陽電池電流/電圧センサー,外壁/内部温度,ジャイロ,磁気センサーを搭載しています.さらにミッション用のセンサーとして,アルゴリズミックな撮影が可能なインテリジェントカメラ,そして放射線センサーの搭載を検討しています.地上局との通信にはアマチュア無線帯域を使用します.

C&DH系

衛星内部の健康状態を表すデータ(ハウスキーピング・データ)を管理し,地上からの命令を処理し,他のサブシステムに指示を出すシステムです.人間でいえば,神経や脳の中枢に相当する部分にあたり,アップリンクコマンドの処理,センサーデータの収集と保管,致命的な故障を避けるための相互監視等を行ないます.

電源系

衛星の生命に関わる,衛星全体の電源管理を行ないます.具体的には,衛星壁面のGaAs太陽電池で必要な電力を発電し,リチウムイオン電池に蓄えたり,全搭載機器に分配します.さらに,搭載機器の電源状態を監視し,万が一電流・電圧の状態に異常が見られた場合は,電源を落とすなどの適切な対応を図ります.

通信/地上局系

地上から衛星に指令を伝えたり,衛星から地上にデータを送るために必要不可欠な,無線通信を達成するために,回路や基板の開発や,通信プロトコルのプログラミング,回線計算や大量の動作試験を行ないます.通信は,衛星と地上を繋ぐ生命線です.INVADERからの電波を受ける地上局は,多摩美術大学に設置します.

構造系

衛星本体の外部・内部構造を扱います.機能と美観を兼ね備えた衛星構体の,手書きデッサンによる構想からCADモデルによる発注までを行うと同時に,衛星内部の基板配置や配線,アンテナの展開機構,J-PODによる放出機構とのインターフェイスを検討します.通信や振動試験用の実験モデルなども制作します.

熱系

衛星に搭載される部品には全て,動作可能あるいは保存可能な温度範囲があります.その温度範囲内に衛星内部の温度を保つように設計するのが熱系チームの仕事です.ひとたび宇宙に出てしまえば,地球上では起こり得ないような厳しい温度環境が衛星を襲います.そのためさまざまな熱試験を行って設計を検証します.

アーティスト

展示情報

作品一覧