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OS2015
展示作品
エマージェンシーズ! 026
《グラデーションズ》2013/15年
田中健司
展示期間:2015年9月8日(火)—11月15日(日) [終了しました.]

「六甲ミーツ・アート 芸術散歩2013」展示風景

円弧状の細長い空間を進んでいくと,その奥から光が放たれているのが見えます.その光は,色彩のグラデーション(階調,段階的変化)を作っており,時間につれて変化していきます.空間のつきあたりに設置された映像ディスプレイには,山や空の映像が映し出され,日の出から日の入りまでをループ再生しています.空間の奥に設置されたLEDによって,空が明るくなっていくと,空間もおなじように明るくなり,映像に映る空と同じ色の光に照らされます.また,夕方になると空が赤くなっていき,日が没していくのに合わせて,空間が徐々に色のグラデーションへと変化していきます.LED照明は,ゆっくりと変化する空の映像と同調させるため,4096段階に対応させたコントローラーが,この作品のために開発されています.

《グラデーションズ》は,空と山そして雲の変化を記録した映像から,その色を照明によって再現し,視覚の周辺視(視野の中心からはずれた上下左右の視覚領域)や日光浴をしている時のような,曖昧な感覚を表現した環境的なインスタレーションです.風景の変化に伴ってうつろいゆく光や影のグラデーション,音楽に包まれるようにして,空の色の変化といった日常において感得していながら,意識されないものの美を再考します.

本作は,2007年に制作した作品《灯火の彼方と月影の果て》のシリーズとして制作されました.


音楽制作:宮内康乃
空間設計協力:ヒロセガイ
技術協力:MATHRAX LLC.
制作協力:六甲ミーツ・アート 芸術散歩

田中健司 プロフィール
1981年兵庫県生まれ.2010年情報科学芸術大学院大学 [IAMAS]卒業.2004年よりプロジェクション・マッピング作品の制作を開始し,二条城,六甲山上駅など公共空間での発表を行なう.2010年から六甲ミーツ・アートに参加.2013年,東急ハンズANNEX店や京都の鴨川プロジェクション・マッピングのディレクションを担当する.大阪電気通信大学非常勤講師.

関連イヴェント


アーティスト・トーク 田中健司
ゲスト:飯田志保子
日時:2015年9月27日(日)午後2時より
[終了しました.]
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