ICC

展示概要・作品

Mission G
《Pachube@ミッション G》
2009-10年
Pachube + M.K.I.


撮影:木奥恵三

Pachube(パッチベイ)」は,世界中のさまざまな物や環境をセンシングしたデータを公開し,共有することができるウェブ上のシステムである.屋外/室内,組織/個人に関わらず,誰でもデータを公開できるだけでなく,公開されたデータを素材に新たな出力や創造へと向かうことが歓迎されている.世界のどこかの環境がこちら側に影響しはじめ,こちら側の環境が世界のどこかに影響していく.Pachubeは,ハード/ソフトウェア上のオープンソースやDIYの潮流と共振しつつ,グローバルな関係のネットワークを形成しつつある.
「Pachubeへようこそ!(日本語)」http://www.pachube.jp/
「ミッション G」では,Pachubeからフィード・アウトされているデータを,M.K.I.が可視化するインスタレーションを展開する.Pachube経由で3つの地域の環境データの変動が,会場に吊られた3基のライトの上下運動へと変換される.それによって空間の明るさが変わるだけでなく,イスに埋め込まれたセンサーで光のレヴェルが計測され,データがPachubeにフィード・インされていく.Pachubeのデータが,この空間を経由して新たなデータとなりPachubeに取り込まれる,という情報の循環が起こっている.

《Pachube@ミッション G》会場でフィードしているデータ Pachube + M.K.I.
Pachube→M.K.I.→Pachube
他の「ミッション G」プロジェクトからのフィード Pachube + dNA + M.K.I.
ダブルネガティヴズ アーキテクチャー(dNA)→M.K.I.→Pachube
*dNA作品《コーポラ.プロスペクト》で屋外に設置している気象センサーのデータが,M.K.I.を介してPachubeへ

Pachubeチーム プロフィール
反応環境,インタラクティヴ・インスタレーション,デジタル・インターフェイスやデヴァイスを専門として国際的に活動する建築家・ウスマン・ハック(1971年生まれ,ロンドン在住)により設立,ハック・デザイン+リサーチ社により発表されたシステム.設立時のチームは他に,クリス・バーマン,長谷川愛,クリス・レウン,サム・ムルベ.Pahubeへの協力者は現在も増え続けている.

M.K.I. プロフィール
「ミッション G」に際して結成されたアーティスト・チーム.森浩一郎(1983年生まれ)は,2009年多摩美術大学大学院修士課程情報デザイン領域卒業.絵画など視覚メディアに見られる構造を,知覚と計算を通して研究.鹿島田知也(1982年生まれ)は,2009年情報科学芸術大学院大学(IAMAS)メディア表現研究科卒業.人と情報との関係を,ユビキタス・コンピューティングなどの側面から研究.伊勢尚生(1986年生まれ)は,現在多摩美術大学大学院修士課程情報デザイン領域1年.独自のソフトウェアを用いたサイト・スペシフィックなインスタレーションを制作.

関連イヴェント
シンポジウム「ミッション G」
日時:2009年5月16日(土)午後2時より[終了しました.]|→ 詳細|