ICC

展示概要・作品

Mission G
《コーポラ.プロスペクト》
2009-10年
ダブルネガティヴス アーキテクチャー


撮影:木奥恵三

《コーポラ.プロスペクト》は,ICCが入所する東京オペラシティの屋外にウェザーステーション(気象センサー)を3基設置し,変動する気象データをリアルタイムに計測することで,ヴァーチュアルな〈建築〉(東京オペラシティ)が会期中刻々と変容していくサイト・スペシフィックなプロジェクトである.気温,風向,風速などのデータが,建築のワイヤーフレームが集まる膨大な数の結節点(ノード)へと送られるが,それぞれの結節点が環境条件と構造の安定性を自律的に判断することで,総体(Corpora)としての〈建築〉がたえず成長・衰退をくり返していく.dNAは空間の表記法として,一般的に普及している俯瞰的なデカルト座標ではなく,局所的な個から全方位的な表記ができる極座標を採用している.この表記法をそれぞれの結節点に与えることで,各自が個の視点を(Super eye)持ちつつ,互いに関係し合いながら複雑な構造体が生成されることになる.ダイナミックに変化し続ける自然のデータを取り込み,脱中心的なプロセスに形態を委ねるこのプロジェクトは,既存の建築を超えていく,かつてない〈建築〉の可能性を実験的に提示する.

ダブルネガティヴス アーキテクチャー プロフィール
建築グループとして1998年に開設.空間を計測する装置・プロセスとして「建築」を位置づけ,プロジェクトごとにメンバーを編成し,インスタレーション,ソフトウェア,建築設計などハード/ソフトウェアを横断するユニークな活動を展開.2004年に開始された自動形態生成による建築プロジェクト「Corpora」は,プロトタイプ《Corpora.proceed(sky)》がICCにて2005年に展示され,2007年にセンシング・システムに分散型のメッシュ・ネットワークを採用した大規模な《Corpora in Si(gh)te(CiS)》(山口情報芸術センター委嘱)へと発展,《CiS》は,第11回ヴェネチア国際建築ビエンナーレ(2008)にハンガリー代表として選出された.
過去に参加した展示・イヴェント

コンセプト,プログラミング&テクニカル・リアリゼーション:ダブルネガティヴス アーキテクチャー
Corporaプロジェクト・コアメンバー:市川創太,マックス・ライナー,アコシュ・マローイ,小旗かおる
サウンド・プログラミング:比嘉了
Special Thanks to:
鳴川肇,山口情報芸術センタ—(YCAM),YCAM InterLab,チューリッヒ芸術大学インタラクション・デザイン学科,ムーチャノック・ブダペスト,ハンガリー文化センター ベルリン,阿部一直,ゾルト・ペトラニ博士,ジュラ・ユリウス,ユーリア・ギャスパー,ステファン・コヴァツ,ヤノージェ・ キャン・トガイ,ヴェルーシュカ・バクシャ・ショーショ博士

関連イヴェント
シンポジウム「ミッション G」
日時:2009年5月16日(土)午後2時より[終了しました.]|→ 詳細|