ICC
ライト・[イン]サイト—拡張する光、変容する知覚
《space-speech-speed》オーフス・クンストブグニング,デンマーク 2007
撮影 ©:イエニス・ソーレンセン
《space-speech-speed》1998年
ミシャ・クバル
暗闇の中で回転する3基のミラーボールから反射される光が,空間全体を撹拌している.光は,スライドプロジェクターから発されるアルファベットの文字であり,それが回転するミラーボールを介して空間全体へと延長されることになる.空間(Space)の中で光としての文字がコミュニケーションを誘発しつつ(Speech),空間内のダイナミックな動き(Speed)をともなって循環していくこの作品は,近代的な静止的かつ整合的な空間性や単一的な「リフレクション(反射,省察)」という概念から逸脱し,つねに変容し多重反射に開かれた空間を出現させる.そこでは観客も変容をもたらす一部であり,同時に変容を引き受ける存在となる.国際ライトアートセンター(ドイツ,ウンナ)収蔵作品.
「ヴォイス・オン・LiS」にて,この出品作家のインタヴューをお楽しみいただけます.* 英語のみ
|→ 詳細|
ミシャ・クバル1959年ドイツ,デュッセルドルフ生まれ,在住.1980年代初頭よりスライドプロジェクターによるインスタレーションや公共空間におけるサイト・スペシフィックなプロジェクトなどを通して,光というメディアのもつ空間および社会における動的な可能性に一貫して取り組む.インスタレーション,写真,パブリック・アートなど多彩な活動では,人々の身体や知覚,また関係性を再創造するアクティヴかつインタラクティヴな「光」を喚起しようとする.1999年東京国立博物館で初の現代美術プロジェクトを実現.
http://www.mischakuball.com/*12月25日(日)まで,豊田市美術館にて「ミシャ・クバル|都市のポートレート」展を開催.