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展示概要・作品

emergencies
エマージェンシーズ!013
voice.zero《super-ultra-great-media-art.org》
2009年
展示期間:2009年12月12日(土)—2010年2月28日(日)[終了しました.]


撮影:木奥恵三

来場者が選択を行なうことで「メディア・アート」的作品を自動的に作成することができるインスタレーションです.会場にはBTOサイト*を模した製作端末があり,来場者は画面に沿って選択を行なうだけで,映像や音,インターネット上のリソース,センサーなどからの入力に反応するインタラクティヴ作品をその場で生み出し鑑賞することができます.

新作として発表されるこのインスタレーションは,「現在流通している作品の多くは,システムによってもたらされる限定的な選択の結果でしかないのでは」というvoice.zeroの考えを体現するものです.とりわけここ数年,ハードやソフトウェアの一般化やDIYシーンの隆盛によってインタラクティヴな作品が飛躍的に増大しました.一見「メディア・アート」と見なされがちなそれらの中には,既存の技術やアイデアを使用しただけのものも少なくありません. voice.zeroはそのような状況に対して,選択によってメディア・アート的なものを簡単に制作できるシステムをあえて来場者に提供することで,「メディア・アート」の意味やあり方を広く問いかけようとしています.来場者は,制作した作品にタイトルとアーティスト名を登録することでその作品をソースコードとしてプロジェクト・サイトで公開できます.《super-ultra-great-media-art.org》を通じて来場者は「アーティスト」となり,ひいては自身の作品やそれを成立させている枠組みに眼を向ける「批評的存在」となるでしょう.

* Build to Orderサイト.顧客の注文に応じてストックされている部品を組立て,商品を完成させることができる.

Special thanks: 星卓哉, Hiroaki Fukui

http://www.super-ultra-great-media-art.org

voice.zero(ヴォイス・ドット・ゼロ) プロフィール
高校時代,名前の順で前後の席に座っていた大槻幸平と大山宗哉(ともに1985年生まれ)によって2006年に開始されたユニット.「目コピ」やバグの利用など,ソフトウェアを独自の方法で使用することでこれまでにない映像生成や視覚的体験を生み出すことを追求.東京藝術大学非常勤講師,プログラマー,ゲーマーとしても活動する.

関連イヴェント
ライヴ voice.zero+アフター・トーク with 四方幸子 [ICC]
日時:2010年1月23日(土)午後2時—4時[終了しました.]|→ 詳細|