ICC

展示概要・作品

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エマージェンシーズ!012
和田永《コンポジション・イン・モーション》
2008-09年
展示期間:2009年8月29日(土)—11月15日(日)[終了しました.]


撮影:古川裕也

本来,音を記録/再生するための装置であるオープンリールのテープレコーダーが,コンピュータで制御できるように改造されて,新たに音楽表現のための装置として生まれ変わっています.マイクから入力された音声は,レコーダーに録音されると,3台のレコーダー同士の同期やリールの回転速度の変化といった機器の動きによって再構成され,アナログ独特の音色を持った,懐かしくも新しいサウンドが演奏されます.

オープンリールは,現在では,ハードディスクなどのデジタル記録方式に移行しつつある,磁気テープに音声を記録するアナログ記録方式による録音機器です.リールに巻きとられたテープは大きく,レコーダーにセットするのにもちょっとした技術が必要なため,一般的な規格としては簡便で携帯可能なカセット・テープに替わられてきました.この作品は,その旧式な技術の特性を活かしつつ,アナログ技術とデジタル技術の可能性の接点を見いだし,本来の機能や用途とは別の音響装置として制作されたものです.ネットワークを介して3台のレコーダーを連動させたり,テープをコンピュータ制御された外部からの機器で直接振動させてビブラートをかけたりといった,レコーダー自体の「動き」が,入力された音声を音楽として構成していきます.

和田永 プロフィール
和田永は,1987年生まれ,多摩美術大学情報デザイン学科在籍中.ミュージシャンとしても活動し,バンド「蒸気青月楽団」を主宰している.テープレコーダーやブラウン管テレビなどの古い電化製品をコンピュータ制御し,生楽器などと組み合わせて,音楽/音響作品を制作している.佐藤公俊,朝倉卓也,山下連,岡野沙有との《Open Reel Ensemble》で,第14回学生CGコンテスト優秀賞を受賞.

技術協力:MATHRAX LLC.

関連イヴェント
アーティスト・トーク&オープン・リール・アンサンブル・ライヴ 和田永
日時:2009年10月17日(土)午後3時より[終了しました.]|→ 詳細|