ICC
解説:八谷和彦
撮影:米倉裕貴

《M-02J》2006年
初公開
愛・地球博にも展示された,最初の完成モデル《M-01》は,基本的に人を乗せて飛ぶことが可能な機体として製作されていました.この機体は現在ジェットエンジン付きの機体《M-02J》として改造されており,今後は初級滑空機の《M-02》,ジェットエンジン付き自作航空機の《M-02J》の二機体制で運用される予定です.今回はこの改造中の《M-02J》も展示します. この展示のあと,この機体は滑走テスト,ジャンプ飛行テストなどを段階的なテストを経て,最終的にエンジン付き飛行を行なう予定です.

《M-02》2006年
初公開
《M-01》の設計改良型2号機.実際に飛行可能なモデルで,初期トリム(微調整)やゴム索発航によるテストはこの機体で行なわれ,今まで5回,合計62本のフライトをこなしています.会場に展示されている飛行中の写真は,すべてこの機体で撮影されたものです. なお,限られた観客に限り※,この機体に実際に乗って,朝霧高原での第五回テストフライト時のパイロット視点映像記録を体験できるようにしたいと思っています.
※機体保護のため,搭乗には58kg以下の体重制限と,石のゲームで「特定の言葉」を引き当てる事が条件となります.

《M-02J シミュレータ》2006年
この展覧会のための新作
機体の操作方法が体験できるようなフライトシミュレータを作ります.シミュレータのソフトウェアにはM-02Jの機体データを使った,この展覧会用の特別な「マイクロソフト フライト シミュレータ X(日本語版)」※を使用します.
※「フライト シミュレータ X 」は今冬発売予定のソフトウェアですが,今回,マイクロソフト株式会社のご厚意により,展示用に特別にソフトウェアをお借りしました.
なお,人数制限のため,搭乗には85kg以下の体重制限と,クイズに全問正解する,などの条件が付きます

※この機体データは,近日中に公開する予定です.(要FS2004もしくはFSX)

《M-01 —1/5模型》2004年
私たちは,実験用の風洞やCFD(コンピュータによるシミュレーション)設備を持たないため,設計の検証には模型を実際に飛ばすことによって機体挙動などを確かめました.これは,そのために作られた1/5スケールの模型です.

《メーヴェ1/2》2003年
2003年,このプロジェクト開始後の最初の目標は,1/2サイズのジェット機をラジオ・コントロールで飛ばし,実際にこのプロジェクトが実現可能かどうかを検証することでした.この模型は,その最初の検証のために作られたモデルで,小型のジェットエンジンを内蔵しており,実際に利根川河川敷と阿蘇でテストフライトを行ないました.(熊本市現代美術館所蔵)

《FairyFinder 02—空を見るための望遠鏡》
2005/06年
フェアリーファインダーは,2005年から制作開始された小品の新シリーズです. 「不可視なものを考える」ことをテーマにしていて,肉眼では見えない像が,あるもの……,例えば紙管で作られた手作りの望遠鏡や虫眼鏡,コースターなどを通すと像が見えてくる,というもの. 《空を見るための望遠鏡》はキリンプラザ大阪での「SKY HIGH」展の時に制作された作品.もともとOpenSkyは「空を見るためのプロジェクト」でもあるので,屋根を通して空が見えるような角度で設置されています.

《FairyFinder 03—コロボックルのテーブル》
2006年
こちらは,コースターを通すと,小びと……コロボックルが遊んでいるのが見えるという作品.こちらは八谷も人の親になり,「なぜ赤ん坊はいないいないばあが好きなのか?」とか「脳の中のシナプスの構造って,小びとの社会のようなものなんじゃないの?」というような思考を形にするべく作られた作品.
そのほか,テストフライト写真および映像の展示,プロジェクトのコンセプトや経緯,飛行記録を閲覧できるコンピュータ端末を展示.また,無響室ではジェット・エンジンの音が体験できます.