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OpenSky 2.0 スタッフ日記では, 展覧会の準備の様子やイヴェン トなどのレポートをしていきます.

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12月17日(日)午後2時~ 対談:四戸哲〔有限会社 オリンポス代表〕×八谷和彦

2006年12月27日 17:03 | 伊村
「Open Sky2.0 八谷和彦展」関連イヴェントの第一弾。今日は《M-02》《M-02J》の設計・製作に携わった四戸哲(しのへ さとる)さんをお迎えして、プロジェクトの技術面に関する解説やテストフライト時の体験談などを交えた対談となりました。

四戸さんはご自身いわく、中学生の頃から典型的な模型飛行機少年だったとのこと。日本大学理工学部航空宇宙工学科では木村秀政先生に師事し、1986年に(有)オリンポスを設立しました。四戸さんは、オープンスカイ・プロジェクトにおいて構想される機体イメージに対し、航空エンジニアの立場から実現可能性を判断し、2003年のプロジェクト開始以来機体の構想から設計、製作に携わってきました。

オープンスカイ・プロジェクトの最終目標は、人(体重50Kg程度を想定)がひとり乗れる「パーソナルジェットグライダー」を作ること。機体の形状は、宮崎駿氏による『風の谷のナウシカ』に登場する架空の航空機「メーヴェ」の機体コンセプトを参考にしつつ、飛行可能な機体となるよう変更・翻案を行ない設計しているとのことです。対談では、模型飛行機の流儀でつくられた《メーヴェ1/2》のテストフライト以後、実機での構造設計を確認するための12.5分の1の模型製作、実機製作の理念に基づいた5分の1モデル、《M-01》から《M-02》《M-02J》へ至る過程を画像を交えて解説しました。その際、八谷さんの配慮でインターネット上の掲示板に寄せられたプロジェクトに対する質問や批判に答え、プロジェクトに対する誤解を解いていくかたちですすめられました。ここでは会場で話題となった内容の一部を紹介します。

■機体名のつけ方について
Q.《M-01》,《M-02》,《M-02J》の違いは?
A. 機体の設計コードとしてつけている、そのため同じコード名のM-02とM-02Jの翼は入れ替えは可能
Jはジェットエンジンの意

《M-01》の翼は開発の過程で《M-02》に吸収されました。(今回の展示では《M-02J》につけられている翼)
実際に展示している《M-02》の胴体と《M-02J》の翼はテストフライト時に使用したものです。
《M-02J》のジェットエンジンと胴体は展示用のものを使用しています。

■法律上の定義(ジェットエンジンがある場合とない場合の違い)
M-02J 自作航空機 ホームビルドプレーン(有資格者・乗るためにはジェット単発自家用の資格が必要)
M-02 プライマリーグライダー(法律上誰でも乗れる)

■女性限定でパイロットを公募した理由
女性を起用してムーヴィーを公開することを想定していた。ただし、あくまでハンググライダー、グライダー、パラグライダーの経験者であることを確認した上で選考している。機体の特性を知る上でも、熟練した経験者にパイロットをつとめてもらう意義がある。

八谷さんは、エンジニアリングと妄想や空想がまじったものをつくるのがアーティストの立場だと考え、特定の愛好者だけでなく例えば女性も興味を持つような航空のプロジェクトを行ないたいと考えました。「メーヴェのかたちをした飛行機が実際に飛ぶ」ことに対する関心や注目度の高さについては、技術者である四戸さんもプロジェクトに参加して改めて驚かされたそうです。
会場風景
対談の様子
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